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楽天証券つみたてNISA|FPの僕の選んだ商品と【選び方】を解説

こんにちは。1級ファイナンシャルプランナーのアトフジと申します。

2019年4月から楽天証券でつみたてNISAを開設し、実際に商品選びを行ったので選んだ商品選び方の基準を参考までに紹介します。

アトフジ

どういう考えで商品を選べばいいんだろう?

他の人がどういう考えで商品を選んでいるか知りたい!

こういった疑問をお持ちの方に参考となる記事内容です。10分程度で読める内容です。

【この記事を書いた人】

1級ファイナンシャルプランナーのアトフジと申します。

金融機関で8年間、個人資産運用業務に従事し、資産運用や保険等の相談・提案業務を行ってきました。

自分自身も投資信託、株式投資で資産運用を実践。

2017年9月にイデコを開始、2019年4月につみたてNISAを開始。

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【楽天証券つみたてNISA】FPの僕の選んだ商品

実際に選んだ商品がこちらの3つです。

  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

各商品の詳細は後ほど説明します。

まずは、僕自身がどのようにして3つの商品を選んだのか、その「選び方」について紹介します。

具体的な手順としては下記の手順を踏んでいます。

  1. 投資対象資産の決定
  2. 投資対象国の決定
  3. 選定基準を満たした運用商品を選ぶ

投資対象資産の決定

投資対象の資産とは、株式、債券、不動産等の事を指します。

今回、僕が選んだ商品は全て「株式」を投資対象とした商品です。

そもそも、つみたてNISAの商品基準として投資対象に「株式を含んだ商品」という条件があるため、どの商品を選んだとしても投資対象に株式は含まれます。

従って運用商品を選ぶ基準としてまず考えるべき点は、投資対象として株式のみを対象とした商品を選ぶか、もしくは株式以外の資産を含む商品を選ぶか、この2点を考える必要があります。

株式以外の資産を含む商品はカテゴリでいうと「バランス型」の投資信託を意味します。

一般的に、資産配分における株式の比率が高いほど、価格変動のリスクが高まる分、得られるリターンも多くなると言われています。逆に株式の比率が下がれば、価格変動のリスクが減る分、得られるリスクも少なくなります。

資産配分 価格変動リスク 期待リターン
株式比率が高い 高い 高い
株式比率が少ない 低い 低い

資産配分によって上記表のような関係になるのです。どのような資産配分にするかは個人の運用の考え方によりますが、僕は2つの理由から、つみたてNISAでは「株式のみ」を選択しました。

補足

「株式のみ」「バランス型」どちらか片方を選ばなければいけないという訳ではなく、両方選択しても構いませんが、あまり沢山の商品を保有するとリスク管理が難しくなるのでオススメはしません。

理由1:つみたてNISAの非課税制度を最大限に活用するため

つみたてNISAは投資信託の売却益が非課税となるという税金上の優遇があります。

 

この優遇の恩恵を最大限に受けるためには、期待リターンが高い株式へ100%投資をする事が理に適っています。

株式のみバランス型ではそんなにリターンが違うの?

と思う方もいらっしゃるかと思うので参考データを紹介します。

実在する2商品(株式のみ・バランス型)へ毎月10,000円、15年間投資した場合のリターン

 

【比較商品】

株式のみ:外国株式インデックスファンド

バランス:バランスセレクト70

    (70%株式:30%債券)

 

  投資元本 運用資産 運用益
株式のみ型 180万円 354.77万円 174.77万円
バランス型 180万円 273.81万円

93.81万円

データ元:モーニングスター積立シミュレーションより

資産配分に債券を組み入れた事により、株式のみの商品に比べて運用益は約80万円少なくなっています。

投資信託では通常、運用益に対して20.315%の税金が掛けられますが、つみたてNISAでは運用益が非課税なので、もし株式のみで運用していた場合は運用益の174.77万円が全額受け取れるという事。

もちろん、債券を組み入れた方が価格変動のリスクは下がっているため、どちらが正解かという訳ではありません。

より非課税の恩恵を受けたい方は「株式のみ」を選択する事をオススメします。

 

理由2:毎月購入する投資方法ならリスクに耐えられる

株式のみだとリスクが高くて怖くないのか?

という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。

確かにおっしゃる通りで、僕自身もそのリスクに対しては割と真剣に向き合いました。

参考までにリーマンショック時の各資産の騰落率を紹介します。

資産 騰落率
日本株 -41.4%
先進国株 -50.2%
新興国株 -56%
日本債券 2.6%
先進国債券 -17.1%
新興国債券 -20.4%
日本REIT -40%
先進国REIT -62.3%

データ元:myINDEXの資産分配ツールを参考に作成

 

もっとも下落したのは先進国REITのマイナス62.3%

株式をみてみると、日本株・先進国株・新興国株共に大幅な下落を記録しており、平均して49.2%の下落となっています。

したがって、株式のみの資産配分を選択する場合は、運用資産が約50%に減ってしまうリスクを許容出来るかどうかが大事となります。

重要ポイント

運用資産が一時的に約50%に減ったとしても投資を続けられるかどうかが大事

資産が半分になってつみたてNISAを辞めてしまっては最悪です。資産が半分になりさらに非課税の恩恵も受けられないので…

普通に考えれば耐えられない人の方が多いかと思いますが、つみたてNISAであれば、資産が半分に減ったとしても続けられる可能性が十分にあります。

その理由は、つみたてNISAの「毎月購入する」という投資方法にあります。

投資の専門用語では「ドル・コスト平均法」と呼ばれる投資手法ですが、実はドル・コスト平均法では、価格が下がった時ほど運用上では有利となる性質があります。

理由は平均購入単価が下がる事にありますが、ここで説明してしまうと本記事の趣旨とずれてしまうため、別の記事で紹介しています。気になる方は是非一読をおすすめします!

参考:【重要】イデコの運用方法は?投資信託との組み合わせが最強すぎる話

※参考記事の真ん中あたりで「ドル・コスト平均法」について詳しく解説しています。記事ではイデコの場合となっていますが、イデコもつみたてNISAも毎月購入すると言う方法を取っているため基本的には同じです。

 

ここまでのまとめ

つみたてNISAの非課税の恩恵を最大限に活用

 →株式のみが最適解

ドル・コスト平均法でリスク耐性が高まる

 →100%株式でも下落に耐えて投資継続できる

以上2つの理由により、僕自身は資産配分として株式のみを選択しました。

 

もし、ここまでの話で「そこまでのリスクは取れない・取りたくない」と思うのであれば、株式以外の資産を含む「バランス型」の投資信託を選ぶ事をおすすめします!

大事なのは投資を継続できる事です。

投資を継続するには自分自身で納得して投資をする事が一番大事なので、自分の感覚に正直に従った方がいいと思います。

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投資対象国の決定

続いて投資対象国です。

資産運用において、投資成果の8割は資産配分の仕方によって決まると言われていますが、個人的にはそれと同じくらい「どこの国に投資をするのか」という点は重要かと思います。

一口に株式と言っても、つみたてNISAで購入できるカテゴリは6つあります。

【6つの投資カテゴリ】

 

・国内株式

・米国株式

・先進国株式(除く日本)

・新興国株式

・全世界株式(含む日本)

・全世界株式(除く日本)

株式のみの商品を選ぶ場合でも、以上の6つのカテゴリから選択する必要があります。

この6つの中から選ぶ必要があるため、どのカテゴリにすればいいか悩む方は多いかと思います。

僕自身は「米国株式」と「新興国株式」の2つを選択しました。

つみたてNISAの非課税期間は20年。

20年後のアメリカ、ヨーロッパ、日本、中国含む新興国を想像した場合にどの国が今後も継続的に成長しているでしょうか?

国の成長の表す指標としてGDP(国内総生産)という指標があります。

GDPの伸びに着目すると、アメリカと中国はダントツで成長を続けています。

主要国のDGP推移グラフ

データ元:世界経済のメモ帳のデータより作成

GDPが全てではありませんし、GDPと株価の推移に明確な相関関係があるとは言えませんが、国の成長は結果的には企業の利益に繋がり、企業の利益は株価に反映されます。

そう考えると国自体の経済成長力は、株価にとっても重要なファクターになると思います。

また、経済成長を支える大きな要因としては「人口の増加」が挙げられます。

今現在、日本の経済成長に限界が感じられる大きな要因として人口減少という問題がありますよね?

人口が減ることにより税収が減り、それに伴い社会制度の充実や企業への支援が難しくなり、国全体としての成長が停滞することは容易に想像できます。

そこで世界の人口を調査しましたが、今後20年以上アメリカの人口は伸び続ける事が予想されています。一方で他の主要先進国である日本や英国、ドイツでは人口は殆どの変わらないか減少が予想されています(下図参考)

 

世界主要国人口推移

中国に関しては、実は2030年付近から人口減少に転じると予想されていますが、中国含む新興国全体で見れば、今後も順調に人口は増加していくようです。

新興国と先進国の人口予想

GDPの成長率と人口増加の予想から判断すると、投資対象として米国と新興国を中心に投資をする事で、20年以上の長期運用においても安定して資産が成長していくのではないかと考える事ができます。

注意

※これはあくまで個人的な考えであり、正解ではありません。

新興国はこの10年間、人口増加とGDPの成長率で言えば先進国を上回っていますが、投資のリターンとしては先進国に負けているというデータもあります。

新興国と主要先進国のリターン比較表

新興国に対するリスクを不要に取りたくない方は、先進国株式(除く日本)でいいと思いますし、少しだけ組み込みたいという方は全世界株式を選択するのもありだと思います。

 

選定基準を満たした運用商品を選ぶ

投資対象資産と対象国が決まったので、後は商品を選ぶだけです。

これから紹介する基準は、つみたてNISAのどの商品を選ぶに当たっても利用できる基準のため覚えておいて損はないかと思います。

選定基準

 

  • 純資産額100億円以上
  • 同カテゴリ商品内で信託報酬が低い商品
  • 毎月の資産流入が安定している商品

 

純資産額100億以上

純資産額は、その投資信託の運用資産総額を表しています。投資信託の規模を表すと同時のその投資信託運用の安定性を示すデータです。

一般的には30億円以上あれば問題ないと言われていますが、つみたてNISAの場合はより確実なラインとして純資産額100億円以上と設定しました。

同カテゴリ商品内で投資信託が低い商品

また、同カテゴリ商品内で信託報酬が低い商品を選ぶ事も重要です。

信託報酬は運用会社へ支払うコストのため、低い方がその分投資成果は確実に向上するからです。

毎月の資金流入が安定している商品

そして、もっとも大事なのは毎月の資金流入が安定しているかどうかの確認です。

毎月の資金流入が安定しているとは、具体的には下記の式の状態をさします。

流入金額(購入される金額) > 流出金額(解約される金額)

資金流入が継続的に流出を上回っているかどうかが重要となります。

実は、楽天証券の購入画面ではこの資金流出入の確認はできません。

確認するためにはSBI証券かモーニングスターで資金流出入状況を確認する必要があります。

多少手間ですが、大事なポイントなので確認する事をおすすめします!

参考:つみたてNISAの運用商品データはSBI証券が優れている【豆知識】

 

以上の3つの基準も元に、実際に商品選定を行って見たいと思います。

例えば、新興国株式に投資しようと思った場合、新興国株式へ投資する商品は全部で12商品あります。

 

【楽天証券 新興国対象の商品一覧】

(2019年3月時点のデータ)

上図は楽天証券で新興国を対象とした投資信託を「信託報酬の低い順」に並び替えたものです。

この12商品は全てインデックス型の商品で、運用方針はどれも「MSCIエマージング・マーケット・インデックスという指数に連動する事を目指す」としており中身はほぼ同じです。

したがって、信託報酬の差がそのまま運用成果の差となって現れるため、投資するのであればより信託報酬が低い商品が好ましいです。

では、最も信託報酬が低い「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」が選択肢として最有力かと言えばそうでもありません。

もう一つの基準としてあげた「純資産額」が16.17億円と少ないからです。

信託報酬と純資産残高を考慮した上で、僕が実際に選ぶとすれば「eMAXIS Slim 新興国株式」です。

信託報酬も0.20412%とカテゴリ内では最低水準であり純資産額も100億円を上回っております。

資金流入も確認しましたが、全く問題ありません。

【eMAXIS Slim 新興国株式の資金流入図】

eMAXIS Slim 新興国株式の資金流出中額

参考:SBI証券|商品選択結果1ページ目下部

 

なぜ、この3つの基準にこだわるのか?

理由としては、つみたてNISAの運用商品数が多すぎるという問題点があります。これだけ多いと投資する立場としては正直迷惑です。

可能性は低いですが、もし国が投資家の立場を考え「今後つみたてNISAの運用商品数を削減する」となった場合、削減対象として真っ先にあげられるのは信託報酬が高い商品で、次いで純資産残高が少ない商品や資金流入が少ない商品が対象となるでしょう。

そうするとその時点でその商品は強制償還となり、最悪の場合解約されて現金化される可能性もあるのです。

この強制償還というリスクを回避するために、3つの基準を満たす商品を選択することは非常に重要だと思うので、是非参考にしていただければと思います。

購入した3商品のデータ

という訳で実際に選んだ商品のデータを紹介します。

  信託報酬 純資産(億円) 資金流入額(億円)
楽天・全米株式 0.1696% 404.69億円 7.77億円
eMAXIS Slim米国株式 0.1728% 169.95億円 14.05億円
eMAXIS Slim新興国株式 0.20412% 157.93億円 9.37億円

投資対象国を米国と新興国にした場合、選定基準を満たしたのは以上の3つでした。

ちなみに、楽天・米国株式eMAXIS Slim米国株式は、米国株式を投資対象としていますが中身は若干異なっています。

eMAXIS Slim米国株式は「S&P500」という指数を基準としています。

一方で、楽天・米国株式は「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」という指数を基準としています。

特徴を簡単に表にまとめます。

  参考指数 特徴
楽天・全米株式 CRSP USトータル・マーケット・インデックス 米国株式市場のほぼ100%の銘柄で構成
eMAXIS Slim米国株式 S&P500 米国株式市場の上位80%の銘柄で構成

楽天・全米株式の方が「より米国全体へ投資をしている」というイメージです。

この2つの商品のどちらかを選ぶからは、正直好みの問題です。僕自身はどちらも投資先として魅力的だったため半分ずつ投資をする事にしました。

新興国株は高い成長が期待できる一方でリスクも高い資産です。したがって投資資金全体の約20%程度を新興国株式へ投資するように設定しました。

参考までに僕の積立ポートフォリオを公開しますので、是非参考にしてみてください!

※ポートフォリオにはつみたてNISAだけでなく、イデコや通常の積立投資も含めて考えています。

 

【アトフジの積立ポートフォリオ】

<積立金額の内訳>

積立ポートフォリオ

<投資対象国・資産割合>

積立投資国・資産割合

<補足>

 

・イデコでセゾン資産形成の達人ファンドを選択しているのは、日本や欧州への投資対象国の分散とイデコの期待リターンを高めるために選択

・eMAXIS Slim オールカントリーはアクティブ型ファンドである「セゾン資産形成の達人F」のパフォーマンスを測るために実験的に購入

・先進国不動産は10%程度は不動産を組み入れたいという思いがあったから

・上記積立以外にも月10,000円は元本割れしない預金で運用。これは万が一があった場合に下ろして使うこともできる資金として、もしくはある程度貯まった段階で、リバランスのために追加で投信を購入すりための余力資金として活用するための資金です。個人的な保険です。

※色々と考えてポートフォリオを組みましたが、若干商品数が多かったことを反省しています。年に2回リバランスする予定ですが、あまりに面倒なようなら今後変更したいと思います。

運用商品を選ぶ上で大事な事

以上、僕自身の選んだ商品と商品を選択した考え方について紹介させていただきました。

今回紹介した僕自身の考え方は、唯一解ではなくあくまで一人の投資家の考え方です。

正直、10年後や20年後の将来の事は誰にもわからないからなので、商品選びに正解はないと思っています。

20年後に振り返ってみて初めて、成功だったのか失敗だったのかが分かるのであって。

なので商品選びで大事な事は「自分なりの選択基準を持ち、納得した上で投資をする」という事だと思います。

・自分がどれくらいのリターンを求めているのか

・自分がどれくらいのリスクを許容できるのか

・どれくらいの資金を投資に回せるのか

・株式以外にも投資したいのか

・リスクをとって新興国を組み位入れるか

・無難に先進国株式への投資を選択するか

このように個人個人によって選び方の基準は多種多様です。

 

つみたてNISAやイデコ然り、資産運用では「長期間継続すること」が最も重要です。

そして長期間継続するためには、自分自身が納得して商品を選ぶ事が大切です。

「雑誌でオススメされていた商品だから」

「ブログで紹介されていた商品だから」

と言った理由では、何かあった時に迷いが生じて投資を途中で止めてしまう可能性がありますので、それを防ぐためにも「自分は〇〇と考えるから、この商品を選んだ」と言った主体性を持つ事をオススメします!

今回の記事が、読んでくださった方の商品選びの基準作りのお役に立てれば嬉しいです。