こんにちは。銀行員FPのアトフジです。
今回は「積立投資は本当に効果があるのか?」と題しまして、具体的なシミュレーションを踏まえメリット・デメリットを検証してみたいと思います。
僕がこのシミュレーションを行おうと思った理由は2つ
・僕自身がイデコで積立投資を実践しているから
・僕自身が積立投資信者なので自分の常識を一旦疑ってみるため
アトフジ
自分自身のための記事になってしまいすみません笑
特に2018年の1年間で先進国株式は13%以上下落し、新興国に至っては16%、イデコで人気のひふみ年金は21%の下落を記録しました。
2017年1月に加入してから順調に運用収益が上がっていた方でも、2018年の下落によりイデコの運用に対して少なからず不安感を抱いた方はいるはです。
なので今回は、そんな不安感を抱いている方には是非おすすめしたい内容です。
2018年の1年間で運用益がマイナスになってしまった原因もはっきりわかると思います。
※5分も掛からず読める内容になっています。
【この記事を書いた人】
1級ファイナンシャルプランナーのアトフジと申します。銀行で8年間、個人資産相談業務に携わってきました。
自身も趣味は資産運用と言えるほど、資産運用大好き人間です。
イデコでコツコツ未来の資産づくりを行っています。
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気になるところだけ読みたい方
積立投資は本当に効果はあるのか?
具体的なデータを元に「どういった場合に効果があり「どういった場合に不利なのか」を検証してみます!
積立シミュレーション
【毎月2万円を10年間でトータル240万円積み立てた場合】
アトフジ
突然ですが、皆さんに僕から問題があります!
下記のような値動きをする投資信託へ毎月2万円、10年間投資した場合、投資信託A〜Dのうち一番儲かったのはどの投資信託しょう?逆に一番損したと思うのはどのケースでしょう?
※投資信託の価格のことを「基準価格」と言います。
A〜Dはいずれも基準価格10,000円からスタートし、それぞれの値動きを経て、10年後に上図の右端に記載されている基準価格となっています。
簡単にA〜Dについて値動きの特徴をお伝えします。
A:勢いよく上昇していき、最終的には当初の基準価格に戻った
B:少しずつ安定的に増えていき、最終的にもプラスだった
C:最初は下落したものの、最終的には当初の基準価格に戻った
D:大きく下落してしまい、最終的にも当初の基準価格には届かなかった
以上、4種類の値動きをする投資信託から、あなたが思う一番儲かったもの・一番損したものを選んでみてください!
【回答欄】
一番儲かった投資信託:______
一番損した投資信託 :______
アトフジ
ヒントは「毎月買っている」という点です。最初に240万一括で購入した場合は当然Dですが…
答えを知りたい方は↓へどうぞ!
シミュレーション結果はこちら!
【正解発表】
アトフジ
一番儲かったのはC、一番損したのはAという結果になりました!ちなみに2番目に儲かったはのはDなんです…!
どうでしたでしょうか?
正解できた方は素直に凄いです。僕は最初全く分かりませんでした。
「ずっと上昇したBですよね?」
「どう考えてもDが一番損してるでしょ!?」
このように思った方は多いはず。
Dなんか10年後の基準価格が10,000円に戻るどころか、7,600円と下落したまま。
それなのにずっと上昇を続けていたBよりも儲かっていたとは…
なぜこのような【逆転現象】が起きるか、超簡単に説明します。
上の図の基準価格をリンゴ100個の価格だと思ってください。
リンゴ100個10,000円からスタートしていきます。
CやDのケースを考えた場合、基準価格は最初下がってますよね?
リンゴで言えば、リンゴの値段が下がっていることになります。
物の値段が下がっているということは、購入する側からしたらお得です。
だって「同じ10,000円でもその分リンゴが沢山買える」わけですから。
そうなるとどうなるか?
CやDの場合、あなたは値下がりした期間中に沢山リンゴを仕入れることが出来ます。
そして少しでもリンゴの価格が戻って来た場合…沢山リンゴを持っているあなたの「リンゴの合計金額」は大きく上昇しますよね?
リンゴの合計金額= リンゴの値段 × 持っているリンゴの数
と表せますから。
投資信託も実はこのリンゴの仕組みと同じ効果が働くのです。
投資信託の基準価格は、一万口当たりの価格を表しています。一万口買うためにいくら必要か表した価格なのです!
リンゴ100個 = 10,000円
投資信託1万口 = 10,000円
ということですね。
なので投資信託の評価額の式は下記のように表せます。
投資信託の評価額 = 基準価格 × 持っている口数
リンゴと同じです!
【再喝】
CやDの場合、あなたは口数を沢山購入することができます。特にDの場合は値下がりが激しいので、その分余計に口数が買えますよね?
なのでDの場合は、価格が10,000円も戻らなかったとしても、持っていく口数が多いためにBを上回る運用成績をあげることができたのです!、
ちなみに、この積立方法は専門用語では「ドルコスト平均法」と言われています。
重要なのは名前ではなく中身。
リンゴの例に挙げたように、価格下落時期は沢山口数の購入ができるため、積立投資では逆に有利に働くんです。
ただ逆のことも言えます。
Aの場合のように最初に値上がりしていった場合には口数が沢山購入できず、結果として10年間でマイナスになってしまってます。
「高く買って安売り」しているようなものです。
以上のシミュレーション結果を踏まえ、メリット・デメリットをまとめます。
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シミュレーションから分かる積立投資のメリット・デメリット
積立投資のメリット
- 価格が下落している時は有利に働く
- 高値掴みする可能性がないため大きな損はしにくい
- 初心者にも継続しやすい
価格が下がっている時に有利に働く点は、積立投資の最大の魅了です。
普通、値段が下がっている時って「辛くて投資やめたい」と思いますから笑
値段が下がっても嬉しいので、その点においては初心者にも継続しやすい仕組みと言えます。
また高値掴みする可能性がなくなります。
先ほどの例で投資信託Dの場合、最初に一括240万で投資信託Dを購入した場合、10年持っていても損してますよね?
これが高値掴みという現象ですが、積立投資では毎月買っていきうことで「買値が平均化」されていくため基本に一番高い値段で買ってしまうということはあり得ません。
なので損しない訳ではないですが、一括購入と比べると大損するリスクはかなり減らすことができます!
積立投資のデメリット
- 価格が上昇している時は不利に働く
- 一番低い価格では買えないため大きな利益は得にくい
価格が上昇している時は嬉しいですが、実は注意が必要です。
価格が上昇しているということは、買値の平均値が上がっているということ。
なので急に大きく下落した場合、利益が一転して損失となる可能性があります。
まさに2018年の1年間はこの現象が起きた状態です。
2017年1月から、株式相場は上下を繰り返しなが2018年10月まで上昇を続けました。その間は嬉しかったですが、2018年の12月末にかけて日経平均が大幅な下落を記録しました。
先ほどの例でいうとまさに「投資信託A」の値動きだった訳です。
冒頭述べた、2018年にイデコの運用がマイナスになってしまった原因がコレです。
また、もう一つのデメリットとして、積立投資では「一番値段が低い時」に購入することは出来ないため、一括で投資信託を購入する場合と比べ、大きな利益は得にくい特徴もあります。
つまり積立投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資法であると言えます。
最後:積立投資は長期投資が大原則
まとめです。
デメリットで挙げたように、積立投資には「上昇→下落」という流れに弱い傾向があります。
したがって、短期的に見れば損をする可能性も十分にあります。
2018年のように。
しかし株式相場から始まり、世界経済というものは景気が良かったり悪かったりを繰り返して成長していくものです。
リーマンショックという100年に一度の金融危機が起きても、10年経てばリーマンショック前の水準をすでに上回っていますよね?
なので積立投資で資産形成を図ろうと思ったら、とにかく「長期投資」が前提です。
どれくらいの期間?と聞かれても明確な答えはありませんが、景気の循環サイクルが概ね10年程度で繰り返されていることを思えば、最低でも10年は投資期間として考えた方がいいと思います。
個人的には20年以上は最低限欲しいと思いますが。
したがって、2018年の下落で少し不安に思っている方は「まだ2年弱しか運用していない」と思って、是非気長に積立投資を継続することをお勧めします。
以上「積立投資は本当に効果はあるのか?」検証させていただきました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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