こんにちは。1級ファイナンシャルプランナーのアトフジと申します。
今回はこれから資産運用を始めようと思っている方に向けて、僕自身が投資を始める際に意識したこと、そして今までご相談を受けてきお客様に対する回答を踏まえ、資産運用を始める上で最も重要だと思う「リスク許容度」についてお話したいと思います。
資産運用を始めようと思うけど、何から初めていいかわからない。
まずは何を知ることが重要なの?
このような疑問をお持ちの方に、少しでもお役に立てればと思います。
【この記事を書いた人】
1級ファイナンシャルプランナーのアトフジと申します。
金融機関で8年間、個人資産運用業務に従事し、資産運用や保険等の相談・提案業務を行ってきました。
自分自身も投資信託、株式投資で資産運用を実践。
2017年9月にイデコを開始、2019年4月につみたてNISAを開始。
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気になるところだけ読みたい方
そもそもリスク許容度って何?
リスク許容度とう言葉に対しては正式な定義がある訳ではありません。
僕自身はリスク許容度をお客様に説明する際は「運用資金がどの程度マイナスになっても投資を続けられるか」と説明しています。
こんな事をいうと「え、自分のお金が減る事なんて考えたくない」と思う人もいるでしょう。
誰だって、自分のお金が減ることについては抵抗があります。
お金が減って嬉しい人なんていないでしょう。
にも関わらず、お金が減る可能性もあるかもしれない「資産運用」を始めようと思ったからには、それなりの考えがあるはず。
・もっと金銭的に豊かになりたい
・将来の老後が心配だ
・預金にしておくのは勿体無い
こう言った考えを持ち、資産運用を始めようと思うことはとても素晴らしいことだと思います。
僕自身は、資産運用肯定派で、むしろ日本の「お金儲けは悪い」という雰囲気は昔から疑問を抱いています。
また、多くの方が「資産運用はやらない方がいい」と認識していることについても残念でなりません。
でも、こう言った雰囲気を作っているのは株式投資や投資信託といった金融商品を販売する側の人間がしっかりと「説明義務」を果たしていなかったことも一因かと思っています。
「年10%の利回りも夢ではありません」「毎月10万円の副収入が得られます」「老後のために何もしないのは逆にリスクです」
確かにこれらは資産運用が持っている側面ではありますし、嘘ではありません。
実際に、先進国株式のここ10年間のリターンは年10%を超えています。
僕自身も金融商品を扱っているため、こう言ったプラスの側面のみを伝えて販売できたらどれだけ楽かと思います。
お客様はなんだか「儲かりそう」な気がしてきて、販売側としてはいい側面だけ伝えてるので気分もいいです。
しかし今では、こういった「販売側本位」の販売姿勢は厳しく規制されてきていて、投資家保護のために「説明義務」を果たすよう法律で義務付けられています。
説明義務とは、具体的は資産運用の負の側面です。
資産運用の負の側面、それは「損をする可能性」です。
誰だって負の側面は見たくありませんし、聞きたくもありません。
しかし投資の世界は「自己責任」です。「聞いてない」「知らなかった」「どうして最初に教えてくれなかったんだ」と言っても、全ての責任は自分に帰ってきます。
だからこそ、せっかくこれから資産運用を始めようと思っている人には、負の側面である「損をする可能性」としっかり向き合って欲しいと思うのです。
まず負の側面としっかりと向き合い納得した上で、プラスの面を考える。
この順序がとても大事だと思います。
そしてその向き合う方法として僕がおすすめしたいのが「自分自身のリスク許容度を知る」ということです。
リスク許容度の見極め方
具体的に、どのように自分のリスク許容度を知るのか、その見極め方について説明していきます。
残念ながら、リスク許容度の見極め方に方程式はありません。
人によって収入や資産背景、家族構成、そして価値観、全てにおいて違いがあるので、一概に〇〇だからリスク許容度は30%程度!と決まらないのが難しいところです。
なので、今回は僕自身の今までの経験を紹介します。
そして、それを元にこの記事を読んだ方が自分自身のリスク許容度を自分で考えていだく方が、ご自身にとっても意味のあることだと思います。
最初はざっくりどれくらいマイナスになっても平気か考える
まず最初に難しい事は考えずに「今の自分だったら運用資金がどれくらいマイナスになっても平気か」を感覚的に想像してみてください。
僕の場合はマイナス20万まででした。
イメージしていたのは「もし100万円を運用していてどれくらい減っても平気か」です。
100万円が70万になっても大丈夫だけど、ちょっとストレス感じるな。
マイナスの20万なら、1ヶ月分の給料分でカバー出来るからまぁ大丈夫か。
こんな感じで、感覚的にリスク許容度を決めました。
パーセンテージで言えばマイナス20%程度が、当初の僕にとってのリスク許容度でした。
当時の僕は
- 実家暮らし
- 独身
- 20代前半
という最強の状態だったので、今から振り返るともっとリスク許容度は高かったと思います。
しかし、当時の僕は自分なりのルールというものを持っていて「手元の資金が100万円貯まるまでは投資はやらない」という変なこだわりを持っていました笑
なのでまず真っ先に100万円を貯金する事を優先し、その間に色々と本を読んで勉強をした記憶があります。
具体的に勉強したのは「投資信託」です。
仕事柄、金融商品についてに知識はあったので株やFXではなく、まずは初心者でも簡単に始められる投資信託から始めました。
何が言いたいかというと、僕の例のようにリスク許容度はあくまで「主観的」に決まるということです。
誰かに教えられる物ではなく、自分自身が納得出来るところが自分にとってのリスク許容度です。
実際に経験してみる
自分自身のリスク許容度を決めることができたら、大事な事は「実際に初めてみること」です。
初めてみて、経験しないと分からない事は沢山ありますし、本当の意味でのリスク許容度は分かりません。
・予想以上に値動きに敏感だった
・予想以上にハイリスクハイリターンを好む性格だった
最初は予想以上に値動きに敏感で、投資信託を初めて購入した時は毎日基準価格のチェックをしていました。
それこそ仕事時間中にも色々とスマホで検索して調べたりしていました。
しかし、そのうち慣れてきて「物足りなく」なってきました。
それから勉強して株式投資を始めることになりますが、これは投資信託をやったからこそ自分が意外とハイリスクハイリターンを求める性格だったことが分かりました。
リスク許容度は、経験と経済状況で変化していく
僕が投資信託を経験したことで、株式投資というハイリスクハイリターンの投資を開始したように、自分自身のリスク許容度は「経験」により広がり、そして経済状況によって変化します。
例えば僕自身は、投資信託で一度かなりの大損をしています。
このブログにも失敗談として紹介はしていますが、その経験もあり多少のことではあたふたしないようになりました。
例えば、結婚した、子供が生まれた、住宅ローンを組んだ、といった経済状況の変化でもリスク許容度は変わります。
今まで自由に使えていたお金が、変化により「使う予定のあるお金」に変化する事はよくあることです。
リスク許容度は、一度決めたらそれに従うという訳ではなく、その時々に見直すべきものです。
なので、あまり構える必要はなく「今時点で自分がどうなのか」という視点で決めてしまうのがいいと思います。
ロボットアドバイザーを試すのもあり
今の世の中はAIによって、資産運用のアドバイスもロボットがしてくれる時代になりました。
ロボットアドバイザーのサービスで代表的なものに「WealthNavi」というサービスがあります。
「WealthNavi」をやると、最初に6問の質問を受けます。
そして答えた回答を元に、あなたのリスク許容度を計算して、おすすめの運用方法を提案してくれます。
ロボットアドバイザーの優れている点は「私情が入らずに、過去の統計データを元に提案してくれる」という点。
もちろん、ロボットアドバイザーも万能ではないので100%信用するのもどうかと思いますが、一般的に自分のリスク許容度がどの辺りなのか知りたい方にはオススメのサービスです!
上記リンクからWealthNaviのホームページに飛ぶことができます。
- 現在の年齢は何歳ですか?
- 年収はおおよそいくらですか?
- 金融資産はおおよそいくらですか?
- 毎月の積立額は?
- 資産運用の目的は?
- 株価が1ヶ月で20%下落したら?
以上の6つが質問事項です。
年齢・年収・金融資産・運用目的・値下がりに対する価値観でリスク許容度を計算しているようです。
自分自身に当てはめて考えると役にたつかもしれませんので、参考までに挙げさせていただきました。
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なぜリスク許容度を知ることが大事なのか?
それは、リスク許容度を知らずに運用を始めると「損した時に途中で止めてしまう」というリスクがあるからです。
想定以上に損をした時、あまりのショックに止めてしまい「もう一生資産運用はしない」と決意してしまうのは本当に勿体無い話です。
資産運用でもっとも大きなリスクは「損をした段階で止めてしまう事」といっても過言ではありません。
そうならないためにも「自分がどれくらいのマイナスなら平気か」という問いに真剣に向き合って、心構えを作っておくといいと思います。
これから始めるなら
投資を経験したことのない初心者の方は、まずは投資信託をおすすめします。
リスク許容度がそこまで高くないという方には特に、イデコやつみたてNISAを活用し「積立投資」を始めてみるのがいいと思います。
具体的には「インデックス型の投資信託を活用した積立投資」がもっとも初心者にとって始めやすく、王道の資産運用方法でもありす。
始める際には、どれでもいいので投資信託の本を1冊読むといいですね。
投資信託は株やFXに比べてローリスクな商品なのは間違いありませんが、活用方法を間違えると不要なリスクをとる可能性もあります。
不要なリスクは、勉強をすることで確実に取り除けるリスクです。
1冊1,000円〜2,000円程度で読めるので、必要経費と考えて一読する事をおすすめします。
参考までに、僕が一番最初に読んだ本をご紹介します。
参考:改訂版 一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門
また、インデックス投資をする際に非常に参考になるサイトがあります。
参考:インデックス投資のことなら『myINDEX』わたしのインデックス
このサイトは、非常に分かりやすくてオススメです。
特に「資産分配ツール」というサービスに登録をすると、色々なデータを見ることができるので、一度試して見るといいと思います。
リスク許容度を測る上で参考になるのは、ITバブルやリーマンショック時に、株や債券、不動産といった資産がどれだけ値下がりしたかという具体的な数値です。
「資産分配ツール」に登録することで、見ることができます。
また、個人的に参考にしているブログがこちら
参考:つみたて次郎の投資日記 | シーゲル流×積立NISA×iDECO
ちょっと初心者には難しいかもしれませんが、非常に面白いブログです。