アトフジ
インデックス型ファンドを中心に運用した方がいいことは分かってるけど…高いリターンが期待できるアクティブ型ファンドの運用にも挑戦したい!
アクティブ型ファンドにも「選ぶ基準」ってあるのかな?
こういった疑問にお答えします。
どうしてもアクティブ型ファンドを購入したい!と思う方。
私も同じ気持ちです。
「少ない資金でリターンを最大化する」
資産運用をする上ではこれほど素晴らしいことはありません。
しかし、投資信託やiDeCo(イデコ)の運用では「インデックス型ファンドを中心に運用するべし!」
という意見が多数派だと思います。
理由は信託報酬が低いから。
そして大半のアクティブ型ファンドがインデックス型ファンドに負けているという現状があるからです。
理屈は分かるんですが、個人的な意見としては、インデックス型ファンドだけではなんか面白くないと感じてしまいます笑
実際、アクティブ型ファンドには「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」のようにインデックス型の3倍・4倍以上のリターンを上げている優秀な商品も存在しますから、そんな優秀なアクティブ型ファンドを組み入れたいと思う方もきっと多いはず。
そこで今回は、優秀なアクティブ型ファンドを選び出すための判断基準を5つ紹介します。
【本記事の内容】
- 優秀なアクティブ型ファンドを選び出すために確認する5の基準
- アクティブ型ファンドで運用する時の注意点
【この記事を書いた人】
1級ファイナンシャルプランナー技能士のアトフジと申します。
銀行に入り8年間、顧客の個人資産相談業務に携わってきました。
お客様の資産運用のアドバイスをする傍ら、自身も投資信託や株式投資で資産運用をしています。
もちろんイデコも活用中。
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気になるところだけ読みたい方
優秀なアクティブ型ファンドを選び出すための5つの判断基準とは?
アクティブ型ファンドは優秀なのファンドもあれば全然ダメなファンドもある「玉石混合」の商品です。
玉石の中から「玉」だけ選びたいと思ったら「5つのP」と呼ばれる5項目を必ず確認するべきです。
①Philosophy(フィロソフィー)
→運用理念・投資哲学
②Process(プロセス)
→運用スタイル・投資プロセス
③Portfolio(ポートフォリオ)
→ファンドの中身(投資先)
④People(ピープル)
→運用体制や運用担当者
⑤Performance(パフォーマンス)
→運用実績
※この5つのPは、優秀なアクティブ型ファンドを見つけ出すための最低限確認するべき項目と思っていただければ。
順番に解説していきます。
Philosophy(フィロソフィー)
運用理念や投資哲学を確認しましょう。
そのファンドを運用している運用会社の理念、もしくは代表者の理念・投資哲学と言えるでしょう。
【確認する方法】
・運用会社のホームページ
→代表者メッセージで掲げている場合があります
・交付目論見書
→「委託会社情報」や「ファンドの目的・特色」など
優れたアクティブ型ファンドには「確固たる理念」があります。
例えば、先ほど例を挙げた「ジェイリバイブ」という商品。
日本国内の中・小型企業を中心に投資をするアクティブ型ファンドです。
運用開始後、232.5%のリターンです。100万円で投資したお金が332万になったことを意味しますので、倍率で考えれば約3.3倍という驚異的な実績を上げています。
※2018年12月21日の「週報」レポートより。
この商品は「SBIアセットマネジメント」という会社が運用しています。
交付目論見書を確認すると、本商品は「エンジェルジャパン・アセットマネジメント株式会社から投資に関する助言を受けて運用します。」と書いてあり、その下にエンジェルジャパン・アセットマネジメント(株)の紹介があります。
その一文を引用します。
エンジェルジャパン・アセットマネジメント(株)の理念
「企業家精神を応援し続け、経済社会の活性化に貢献する」という明快な理念の元、革新的な成長企業などへの投資に対する助言を行う
参考資料:ジェイリバイブ「交付目論見書」
商品HP:SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(愛称:jrevive)
革新的な成長企業への投資を促す事で、「企業家精神の応援や経済社会の活性化に貢献する」ことを実現するという事だと思います。
もし僕が企業家だった場合、企業の成長のために投資をしてくれる人がいたらめちゃくちゃ嬉しい反面責任を感じます。
その責任を果たすためには「会社を成長させる事」ひいては出資者へ利益として還元させる事でしょう。
きっと死ぬ物狂いで頑張ると思います笑
まさに企業家精神です。
その観点からすれば、確かに革新的成長企業へ投資をすることはお互いにWin-Winの良い関係だなと考えられます。
※個人的な解釈です。
このように理念や投資哲学を自分なりに解釈し共感することは非常に大切です。
アクティブ型ファンドは高いリターンを求める分、当然リスクも高まります。
一時的には大きな損失が出る可能性もありますが、その時にそのアクティブ型ファンドへと投資を継続するかしないかを決めるのはあなた自身です。
そんな時に判断基準の一つとなるのか「理念に共感できるか」という点だと思います。
理念だけでは投資はうまく行きませんが、まず第一に理念に共感できるかという視点で是非確認するべきだと思います。
とはいえ、その理念が良いかどうかなんて分からないという方も多いと思います。
そんな場合は、出来るだけ沢山の「理念や投資哲学」に触れてみるといいです。
その中できっと「なんかいいかも」と思うものに巡り会うはずです。
例えば「女性活躍応援ファンド」という商品があります。この商品は女性の社会活動への貢献を応援するために「女性が活躍している会社や女性が求めるサービスを提供している会社」へ投資をしています。
私は共感は出来ませんでしたが、この商品を女性のお客様へ紹介すると結構受け入れられました。
また、セゾン投信という運用会社では、社長自らが「本」を出版しで理念と投資哲学を伝えている会社もあります。
どのような運用哲学があるのかを知る上でも、一度読んでみると勉強になるのでオススメですよ。
Process(プロセス)
理念・哲学の次は投資プロセスです。
これはどのように投資対象の企業を選ぶかという点です。
「自分自身が選ぶ立場」としてみた場合、そのプロセスは確かにリターンが期待できるものなかという視点で見ることが大切です。
そのためにも、より具体的かつ詳細にプロセスが記載されているファンドが好ましいです。
【確認する方法】
・交付目論見書
→「ファンドの目的・特色」や「運用方針」など
・請求目論見書
→第2部「ファンド情報」など
投資プロセスは本当に多種多様です。
同じ日本株に投資をするファンドでも、どんな運用方針で、どんな企業に、とういう投資プロセスを経て投資をするのかは、そのファンドの運用プロセス次第。
例えば
・投資企業数は数十社に抑え集中投資をするのか
・幅広い企業に均等に投資をするのか
・購入した会社は持ち続けるのか
・頻繁に銘柄を入れ替えるのか
・銘柄を入れ替えるのはどのタイミングか
・運用資産を全て株式へ投資するのか
・一部現金として保有することもあるのか
など、商品によって特徴は大きく異なります。
参考までに「ジェイリバイブ」と「女性応援活躍ファンド」の運用方針を紹介します。
「ジェイリバイブ」
・投資プロセス
株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、わが国の経済 社会に貢献すると考えられる企業の株式に厳選投資。
「女性応援活躍ファンド椿」
・投資プロセス
「女性の活躍」に着目して投資候補銘柄を選定します。
※投資プロセス・図共に「交付目論見書」より引用
それぞれ銘柄選定に特徴があるのが分かりますね。
運用プロセスにも正解があるわけではありませんし、実際ほとんどのアクティブ型ファンドに記載されている項目でが、より詳しく載っている方が透明性があり納得して投資が出来るでしょう。
ここでは個人的に注意している点を2つ紹介します。
【注意点①】
理念や投資哲学はしっかりしているけど投資プロセスが曖昧なファンド
見た目良さそうでも中身が伴っていないパターンです。
個人的にはすぐに投資対象から外します。
【注意点②】
ファンド・オブ・ファンドで運用しているアクティブ型ファンド
特に海外資産へ投資している場合は「ファンド・オブ・ファンド」という形態をとっているアクティブ型ファンドが多いです。
ファンド・オブ・ファンドは、運用会社が投資家から集めた資金を、自らが運用するのではなく、さらに別のファンドへ投資をする仕組みです。
投資先のファンドでも信託報酬が発生するため、結果的に信託報酬が高い傾向にあります。
さらに運用プロセスも投資先のファンドに丸投げ状態なので、私たちのような個人投資家には見えません。
ただ、ファンド・オブ・ファンドも好成績を上げているファンドもあります。「セゾン投信」が運用するファンドです。
ファンド・オブ・ファンドが全く悪い訳ではありませんが、基本的に高い信託報酬の割にリターンが低いファンドが多いため注意が必要です。
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Portfolio(ポートフォリオ)
そのファンドが「どのような企業」を組み入れて運用ポートフォリオを組んでいるかを確認します。
大切なのは、philosophy(理念・哲学)とProcess(運用プロセス)に沿った企業選定がされているかという点です。
【確認する方法】
・運用レポート
→月次レポートや週次レポートの組み入れ10銘柄
例えば「女性応援活躍ファンド椿」
投資プロセスは「女性に関係する会社」を中心に投資をすることになっていますが、中身が日経平均225やTOPIXと似ていたら、それは運用プロセスに矛盾していることになります。
実際に確認してみると、@コスメを運用する「アイスタイル」や雪肌精で有名な「コーセー」など、女性が躍進している企業、商品提供をしている企業がしっかり組み入れられています。
※株式投資では企業のことを銘柄と呼びます。
参考:女性応援活躍ファンド椿「運用報告書<上位10銘柄のご紹介>」より
アクティブ型ファンドと謳いなからも、実際はほとんど日経平均225やTOPIXの上位10銘柄を中心にポートフォリオを組んでおり、数名柄だけ違う企業を組み入れているというファンドもあるため注意が必要です。
People(ピープル)
ピープルとは実際にファンドを運用している運用担当者のことを指します。
どんな経歴を持った人が運用しているのか、実際に運用している人情報を、私たち個人投資家にもちゃんと情報開示しているかどうか、その姿勢があることが大切です。
【確認する方法】
・運用会社のホームページ
→写真や経歴が載っているケースがあります
・運用レポート
→運用状況の解説欄に名前や写真が載っていることがあります。
残念ながら日本では開示義務はありませんので多くと運用会社では運用担当者に関する情報は提示されていません。
ただ、「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークス(株)などの一部の会社では社長や運用担当者の経歴から顔写真等を開示している会社もあります。
また、月次レポートや習字レポートといった運用報告書で運用担当者が名前を提示したり、顔写真付きで運用状況を開設しているケースもあります。
この開示姿勢については、特に、運用担当者に変更があった場合に「運用の一貫性」から考えて重要です。
あまり、コロコロと変わるようだと投資プロセスが崩れているかも知れません。
情報提示がされていない会社の場合は、そもそも担当者が変わった事自体も分かりません。
あと、顔や名前が提示されていることで生まれるメリットが一つ。
これは個人的な考えです。
もし仮にあなたが運用担当者だったとして、お客様から預かった投資金を運用していたとしたらどうでしょう?
運用の世界に絶対は無いので、大きな損失を出してしまう時もあるでしょう。
そのときは、自分の名前は伏せていた方が絶対メンタル的に楽なはず。
顔や名前を出すという事は、それだけ運用に対する責任感の現れとも言えるでしょう。
Performance(パフォーマンス)
パフォーマンスは、そのファンドの過去の運用実績です。
過去の実績が優れていたかどうかの確認です。
優れた理念や哲学、見栄えの良い投資プロセスだとしても、実績がついてなければ見掛け倒しの可能性があります。
【確認する方法】
・交付目論見書などの各種開示情報
・投信評価会社のサイト
→モーニングスターなど
過去の実績を確認する場合は「モーニングスター」がおすすめです。
特に確認する点は2点です。
【確認ポイント①】
・同じカテゴリのファンドと比較して優れていたか
モーニングスターで気になる商品を検索して一番最初に出てくる画面に「パフォーマンス」という項目があります。
<画像:モーニングスター「ジェイリバイブ」スナップショットより引用・加工>
トータルリターンがカテゴリ平均と比較してどうだったのかを確認します。
特に1年や3年といった短期ではなく、5年・10年という長期間でみてどうだったのかという視点が大切です。
【確認ポイント②】
・日経平均やTOPIXといったインデックス指数と比較してどうだったか?
アクティブ型ファンドの運用成績が、日経平均225やTOPIXなどにインデックス型ファンドの参考になっている指数と比較してどうだったかを確認します。
つまり、あなたが投資するアクティブ型ファンドは過去の運用でインデックス型に買っているのか確認する訳です。
<確認方法>
<画像:モーニングスター「ジェイリバイブ」スナップショットより引用・加工>
他のファンドや指数と比較をクリックして、日経平均やTOPIXと比較すれば確認できます。
以上「5つのP」が優秀なアクティブ型ファンドを見つけ出すために確認すべき5つ判断基準です。
「投資理念に共感できる!」とか「過去の運用成績がすごい!」という単発の理由だけではなく、この5つのPを確認しあくまで総合的に判断することが大切です。
アクティブ型ファンドで運用する時の注意点
アクティブ型ファンドで運用する場合、「買付停止」という事態が起こる事に注意が必要です。
アクティブ型ファンドでは一般的に純資産総額に上限を設けているファンドが多いです。
※純資産総額がよく分からない方はこちら
参考:投資信託入門!仕組みや覚えるべき専門用語を分かりすく解説!
あまりにも人気がでて投資資金が流入し、資産総額が増えてしまうと、そのファンドの投資哲学や運用プロセスの条件を満たした運用ができなくなってしまうからです。
「買付停止」となっていまい、イデコやつみたてNISAで購入している場合、買付停止が解除されるまで投資制限を受けてしまうため、そのリスクは承知しておくべきでしょう。
また、アクティブ型ファンドのデメリットとして、純資産額が大きくなってくると運用が難しくなるとよく言われます。
これは個人で運用をした場合も同じことが言えます。
10万円を20万にする
1000万円を2000万にする
どちらも資産は2倍ですけど、なんとなく後者の方が難しそうですよね?
実際、株式投資をしている方ならわかると思いますが、株価が2倍3倍になる株は小型・中型株が多いです。
ファンドの場合も同じです。
ファンドの資産が少ないうちは小型・中型株にどんどん投資が出来ます。その期間は小型・中型株の株価上昇に比例して、ファンドの運用リターンも高い状態が続きます。
一歩いう資産が増えすぎてしまった場合、小型・中型株だけでは消化しきない状態が発生します。そうすると仕方なくトヨタやソフトバンクといった大型株へ資産を回すことになるのです。
大型株は安定はしていますが、高いリターンは期待できません。
大型株を組み入れた結果そのファンド全体のリターンは低下してしまうといった事態が起こりかねるのです。
長期的にみてアクティブ型ファンドがインデックス型に勝てない理由の一つには「純資産の増加」というジレンマがある訳です。
したがって、もしアクティブ型ファンドで運用をしようと思っている場合は、投資資金の全額ではなく、一部分だけをアクティブ型ファンドに回すことをオススメします。
これは「コア・サテライト戦略」と呼ばれるポートフォリオの組み方を参考にしています。
中心となる「コア」の部分はインデックス型ファンドで運用し、ポートフォリオの期待リターンを高めるために「サテライト」に部分としてアクティブ型ファンドを取り入れるという考え方です。
特にイデコやつみたてNISAで長期的に資産形成を図ろうと思っている方は、「コア・サテライト戦略」は大事ですので、是非参考にしていただけれ嬉しいです。
最後に
余談ではありますが、イデコの非課税の恩恵を最大限に受けるためにアクティブ型ファンドを検討している人も多いかと思います。
私もその一人です。
普通に投資信託を購入して高いリターンを得ても約20%税金が取られてしまうため、アクティブ型ファンドでは余計に投資効果が下がってしまう可能性がありますから。
イデコでアクティブ型ファンドを購入しようとした場合、現状ではSBI証券が一番おすすめ出来ます。
※2018年12月現在
そもそもイデコでは、長期運用を前提としていて「インデックス型ファンド」を中心にラインナップを揃えている金融機関が多いです。
その点SBI証券は2018年10月に「セレクトプラン」という新たに35商品のラインナップを揃えたプランを発表しました。
【SBI証券の充実したアクティブ型ファンドのラインナップ】
-
ひふみ年金(ひふみ投信のイデコ専用商品)
-
つみたて椿(女性活躍応援ファンド椿のイデコ専用商品)
-
ジェイリバイブDC年金(ジェイバイブのイデコ専用商品)
-
野村リアルグロースオープン(確定拠出年金向け)
-
セゾン<資産形成の達人ファンド>
-
セゾン・グローバルバランス・ファンド
- 米国株式長期厳選ファンド
人気のひふみ年金やジェイリバイブだけではなく、セゾン投信なども新規で取り扱いが開始となりました。
セレクトプランが加わったことにより、アクティブ型ファンドの品揃えでは間違いなくSBI証券がトップです。
イデコのでの期待リターンを高めたいと思う方、アクティブ型ファンドを少し組み入れたいと思い方はSBI証券を選んで後悔はないと思います!