イデコ塾。にご訪問いただきありがとうございます!
最近やたらとテレビやマネー雑誌でiDeCo(イデコ)という言葉を耳や目にする機会が増えたのではないでしょうか?
金融機関で働く私自身、お客様から「イデコって良いの?」と質問されることからも、注目度は確実に増しているでしょう。
老後への不安から、「何か準備しなければ・・・」と思っている方も多いと思います。
結論から言いますと、老後資金の準備方法としてイデコは最強です!絶対に抑えておかなければならない制度であると言っても過言ではありません。
なぜイデコは最強なのか?今回はその理由も含め
と題しまして、イデコの特徴や魅力をわかりやすく説明したいと思います。
気になるところだけ読みたい方
イデコの名前の由来
イデコってそもそも何?って思う方もいるかと思います。
イデコの正式名称は「個人型確定拠出年金」といいます。とても長ったらしくて覚えにくいですし、何だか難しく感じませんか?
英語で書くとindividual-type Defined Contributionと表現されますが、少しでも国民に親しみを持ってもらいたいと思った国が愛称を募集したところ、英語の頭文字をとってiDeCo(イデコ)と名付けられました!!
他には個人型DCと表現されることもあります。
※本ブログでは全てカタカナでイデコと表記します。
一応これらか詳しく解説していく制度なので、まず名前の由来からお伝えしましたが、大事なのは中身です!
イデコと3つの年金制度について
年金制度と言われると、なんか色々のルールやら制約やらがあって面倒そうだな…と思う方もいるかと思いますが安心してください。
順をおって読んで行けば必ず理解できる制度です!
アトフジ
イデコを理解するためには、年金制度について簡単に把握しておく必要があります。
年金は大きく分けて3本立てと言われています。
「国の年金」「会社の年金」「自分の年金」です。
国の年金
国の年金とは、文字通り「国が国民のために準備している年金制度」です。
基本的には国民全員が加入します。
・国民全員が加入する国民年金
・会社員が加入する厚生年金や共済年金
会社の年金
会社の年金は、会社が従業員のために独自に準備する年金制度です。
したがって会社によってはない場合もあります。
・厚生年金基金
・確定給付年金
・企業型確定拠出年金
自分の年金
自分の年金とは、自分で準備する年金のことです。
・国民年金基金
・個人年金保険
・財形年金貯蓄
・イデコ(個人型確定拠出年金)
簡単ではありますが、以上が年金制度の3本の柱と呼ばれています。
国の年金のことを「公的年金」
会社の年金や自分の年金を「私的年金」
と分類されています。
図:年金制度の概要
イデコは年金制度であり、3つの年金制度の中の「自分の年金」に分類されるということが分かっていただければ問題ありません!
イデコの5つの特徴
イデコの特徴について、国の年金である公的年金と比較しながら説明していきます。
特徴①自己の意思で加入する
イデコは自分の意思で加入する制度です。
公的年金である国民年金は20歳以上のすべての国民が加入する年金ですし、厚生年金は会社で働く人は強制的に給料から天引きされていますよね?
自分の意思とは関係なく知らず知らず加入しています。
※国民年金は人によっては保険料を自分で支払う必要があります。
一方でイデコは、加入したい意思がある人だけ加入する制度です。
強制ではありません。
別に加入したくない人は無理に加入する必要がないという事ですね!
特徴②掛け金は自分で決定する
イデコでは毎月支払う掛け金を自分で決定します。
公的年金の保険料は国によって決められていますが、イデコは毎月最低5,000円から、加入者によっては最大68,000円の掛け金を支払う事が出来ます。
掛け金は、基本的には年に一回変更する事が可能です。
※加入する金融機関によって差があります。
ちなみに、掛け金の支払いを0円にすることもできます。
自分の収入と支出のバランスを考慮して、無理のない金額を選択できるという事ですね!
特徴③運用方法を自分で選択する
イデコでは運用方法を自分で選択します。
具体的には、預金・保険・投資信託といった運用商品を自分の意思で組み合わせて運用し、将来の年金を準備します。
大事なのは運用次第で将来の年金額が変動するという事です。
この点がイデコに加入する場合に最も重要になってくるポイントかと思います。
例えば、預金を選んだ場合、損をする可能性は限りなく低いですが、現在の低金利では支払った掛金の増加はあまり期待できません。
一方で、株や債券に投資ができる「投資信託」で運用を行った場合には、将来受け取る年金資産が大きく増えることも期待できます!
<イデコ運用イメージ図>
投資信託と聞くと、「なんだか難しいな」と感じる方が多いと思います。
実際に、「損はしたくない」という考えをお持ちの方は、最初は多くの場合「預金」での運用を希望します。
ですが、イデコのメリットや投資信託の仕組みなどに対する理解が進むと、一定の方は「投資信託」を選択するというのも事実です。
是非敬遠せずに選択肢の一つに加えてほしいです。あくまで個人的な意見ですが、イデコは投資信託で運用してこそ、その効果を最大化できます!
特徴④掛け金は途中で引き出せない
イデコは原則60歳になるまで、途中で支払った掛け金を引き出す事が出来ません。
この点は、イデコのデメリットとして挙げられる方が多くいますが、「年金を準備する」という目的を果たすためには不可欠な仕組みかと思います!
人間誰しも誘惑には弱いものです笑
途中でどうしてもお金が必要なケースが出てくるでしょう。
その時に、せっかく貯めた年金原資を引き出して使ってしまっては、いつまでたっても年金を準備することは出来ませんよね?
個人的には途中で引き出せないこともイデコの大きなメリットかと思います!
・病気や怪我で所定の障害状態になった場合
・加入者が死亡した場合
・上記以外の脱退一時金受給要件を満たした場合
※脱退一時金受給要件は非常に厳しいです。
特徴⑤年金の受け取り方法を選択できる
イデコは基本的に60歳まで受け取ることが出来ません。
60歳になった時点で受取方法を選択します。
受取方法は大きく分けて3通りあります。
・年金として受け取る
・一括で受け取る
・一括受け取りと年金受け取りを併用する
※詳しくいは実践編で解説する予定です。
60歳で必ず受け取らなければ行けない訳ではなく、最長70歳まで受け取らずに運用する事も可能です。
表:受取開始可能年齢
60歳の前々日までの加入期間※ | 受取開始可能年齢 |
10年以上 | 60歳 |
8年以上10年未満 | 61歳 |
6年以上8年未満 | 62歳 |
4年以上6年未満 | 63歳 |
2年以上4年未満 | 64歳 |
1ヶ月以上2年未満 | 65歳 |
※加入期間は、イデコに加入して積み立てをしていた期間だけでなく、積み立てをせず運用だけしていた期間、企業型の確定拠出年金に加入していた期間を合計した「通算加入期間」です。
自身の加入期間が10年未満となる方は特に注意が必要です!
①自分の意思で加入する
②掛け金は自分で設定する
③運用方法を自分で選択する
④掛け金は途中で引き出せない
⑤年金の受け取り方を選択出来る
イデコの加入資格
・20歳以上60歳未満の方
・国民年金保険料をちゃんと払っている人
会社員の方は、国民年金保険料は自動的に給料から天引きされるため心配ありませんが、厚生年金に加入していないパート・アルバイトの方や個人事業主の方は、保険料の支払い漏れがないか注意が必要です。
平成29年1月の法改正後、上記2つの条件を満たせば、ほとんどの人が加入する事ができるようになりました!
イデコに加入できない2のケース
加入資格を満たしていても、加入できないケースが3つあります!
ケース①国民年金基金に満額支払っている場合
国民年金基金とイデコは、共に国民年金連合会とうい組織が運営しています。
両方に加入することは出来ますが、掛け金が合計68,000円を超えることは出来ません。
例えば、国民年金に40,000円、イデコに28,000円という組み合わせは可能です。
また、上限の68,000円には付加保険料400円も含まれますのでご注意ください。
ケース②企業型確定拠出年金がある会社の従業員
確定拠出年金には個人型(イデコ)だけではなく「企業型」も存在します。
企業型確定拠出年金がある会社の従業員は、全員が強制的に企業型に加入します。
企業型と個人型の大きな違いは、掛け金の負担者が企業であることと、運用機関の選定を企業が行う点です。
運用機関とは、実際に確定拠出年金を始める場合に口座を開設する金融機関のことを指します。
個人型では例えばみずほ銀行や、SBI証券や楽天証券といったネット証券まで自由に選択出来ますが、企業型では企業が契約した運用機関しか選ぶ事が出来ません。
<企業型と個人型の比較>
企業型 | 個人型(イデコ) | |
掛け金の負担者 | 企業 | 個人 |
運用機関の選択 | 企業 | 個人 |
運用方法の選択 | 個人 | 個人 |
企業型拠出年金がある会社の従業員は、会社がイデコ(個人型)への加入を認めていない場合イデコに加入出来ません。
事前に会社の人事部や経理担当者へ確認する必要があります!
加入者タイプと加入者別拠出限度額
イデコは基本的には、毎月、自分の決めた金額を積み立てる事によって将来の年金を準備します。
拠出する金額は自分で決めますが、加入者のタイプによって拠出限度額が異なるため、自分がどのタイプに該当するか知っておく必要があります。
7つの加入者タイプ
加入者は7タイプに分類できます。
・第1号被保険者
自営業者やパート・アルバイトで厚生年金に未加入の人
・第2号被保険者①〜⑤
①会社員(企業年金なし)
②会社員(確定拠出型の企業年金あり)
③会社員(確定給付型の企業年金あり)
④会社員(確定給付型の企業年金あり+確定拠出型の企業年金あり)
⑤公務員
・第3号被保険者
専業主婦(夫)など
図にした方が分かりやすいと思いましたので作成しました!
図:イデコ加入者タイプ
サラリーマンやOLの方で企業年金の種類が分からない方も多いかと思います。
経理担当や人事担当者に確認すれば確実に分かりますし、お手元に年金証書があれば、年金証書に年金の種類が記載されていますので、是非調べて見ましょう!
ちなみに、「厚生年金基金」はタイプで言うと第2号被保険者④に該当します。
アトフジ
加入者タイプ別の拠出限度額
ご自身の加入者タイプが分かったら、次は拠出限度額を抑えましょう!
表:加入者別の拠出限度額
加入者タイプ | 拠出限度額(月額) |
第1号被保険者 | 68,000円 |
第2号被保険者①企業年金なし | 23,000円 |
②企業型確定拠出年金あり | 20,000円 |
③確定給付年金あり | 12,000円 |
④確定拠出+給付年金あり | 12,000円 |
⑤公務員 | 12,000円 |
第3号被保険者 | 23,000円 |
※第1号被保険者は国民年金基金、付加年金と合計して68,000円が上限です。
限度額も踏まえた加入者別の図も参考までに!
図:加入者別の拠出限度額
国民年金や厚生年金しか加入していない方は、確定拠出年金の拠出限度額は大きく、会社の年金が手厚くある方はその分、確定拠出年金の拠出限度額は少ないことがわかりますね!
アトフジ
イデコの魅力について
いよいよ、本講義で一番伝えたい「イデコの魅力」について説明します。
魅力①:節税効果が絶大!!
なんといってもイデコ最大の魅力は節税効果です!
とにかく凄いです。
イデコでは拠出時・運用時・受取時の3ステージで節税効果があります!
掛金を支払っている状態。 拠出した金額に応じて所得税・住民税を節税する事ができます!
Q.年収が500万程度のサラリーマンの方が、イデコに加入し年間12万円拠出した場合、一体いくら節税されるでしょう?
名前
A .答えは約24,000円です!
世帯状況や住宅ローン控除の有無によって変わってきますが、年間12万円拠出して24,000円の節税です。
利回りで考えたら年率20%です!!
現在、銀行の預金金利は0.01%程度しかありませんので、20%は驚異的な数字と言えるでしょう。
掛け金を拠出している期間。
または、支払った掛金を受取開始可能年齢まで預金や投資信託で運用している期間。
運用して儲けた利益が非課税となります!
通常、預金や投資信託といった金融商品で運用した場合、運用して得た利益(運用益)に対して税金が発生します。
銀行の定期預金に預けた事がある人なら分かると思いますが、預けて付与された利息は満額もらえる訳ではなく、20.315%の税金が差し引かれて、あなたの手元に入金されますよね?
もともと少ない利息から税金を取るとは、国も酷いことをするもんです笑
しかしイデコの場合は、この運用益に対する税金が非課税です。
お客様
はっきり言って凄く魅了的な事です!
仮に100万円の運用益が出た場合を考えて見ましょう。
通常の金融商品だと税金が約20%課税されるため、20万円は引かれてしまいます。
それがイデコであれば運用益は全額非課税なので、それだけで他の金融商品と比べ、利益が大きくなりやすいと言えます!
アトフジ
効率よく資産を増やすためには、儲かったお金を使ってしまうのではなく再投資する「複利」の力が欠かせん。
イデコでは複利の効果を最大限に活かすことが出来るのです!
60歳以降に運用資産を受け取る時。
一時受取:退職所得控除
年金受取:公的年金等控除
の対象となり税金が優遇されます!
アトフジ
【運用条件】
毎月23,000円、年率3%、期間40年
【運用結果】
40年間の掛け金合計 | 1104万円 |
運用残高 | 1855万円 |
運用益 | 751万円 |
アトフジ
運用方法 | 税金 |
通常の金融商品 | 約150万円 |
イデコ | 0円 |
なんとイデコは税金が0円になってしまうのです!!!
※イデコ以外に退職金が無いと仮定した場合です。
イデコが年金を準備する方法として最強と言われる理由は正に、拠出時・運用時・受取時での絶大な節税効果にあるのです!
イデコの節税効果について具体的に詳しく知りたいという方はこちら
参考:具体例で分かる!イデコ の3つの節税効果について徹底解説!
魅力②:少額から始められる!
イデコは5,000円から始める事ができます。
株式投資でメルカリの株を買おうと思ったら30万〜40万円のお金がないと購入できません。
もし仮に「大家さんになりたい」と思ってアパート1棟購入しようとしたら数千万円から億単位の資金が必要となります。
多くの方が資産運用に抵抗を感じる理由として「まとまったお金がない」ことあげますが、イデコは5,000円からでも始める事ができるので、初心者にも始めやすい制度です!
月5,000円なのでディナー1回分我慢すれば始められる金額ですね!!
魅力③:手数料が安い!
資産運用で資産を増やす上で手数料は非常に重要です。
なぜなら、手数料は運用成果に関わらず、必ず発生する費用のため、手数料を安くする事は運用成果の向上に直結するからです!
通常、投資商品を購入する際や運用期間中は、販売会社や運用会社へ報酬として手数料を支払う必要がありますが、イデコは商品の仕組み上、手数料が安く設定されています。
購入時に支払う手数料は販売手数料と呼ばれますが、イデコでは多くの商品が0円です。
運用中に支払う手数料は信託報酬と呼ばれますが、同じような商品でもイデコでは0.1%〜0.3%程度安いです。
たった数%と思うかもしれませんが…イデコは基本的に長期間(最長40年)運用しますので、少しの手数料の差が結果的に大きな差に繋がります!
まとめ
イデコの仕組みについて、ご理解いただけたでしょうか?
本記事を通して、イデコを全然知らない初心者の方が、特徴や魅力など全体像を把握していただけたら非常に嬉しく思います。
加入資格や加入者タイプ別の拠出限度額については少し細かい説明になってしまいましたが、是非知っておくべき項目と思い内容に含めました。
しかし何よりもお伝えしたかったのは、イデコは年金制度の一つであり、年金制度としてイデコは非常に魅力的な制度だという点です。
実際に、イデコの加入者は年々増加しています。
国民年金基金連合会のイデコ公式ホームページで確認したところ、平成30年8月時点の加入者が100万人を超えました。
金融機関で働いている私ですが、ここ2年間でお客様から「イデコって良いの?」と質問を受ける回数が増えていることからも、多くの方が注目している制度であることに間違いはありません。
平成29年1月の法改正により加入対象者が拡大されたことと、国が積極的にPRを行いイデコの認知度が上がったことが一つの要因なのは間違いありませんが、その根底にあるのは「将来に対する不安」かと思います。
「将来の年金はどうなんだろう?」
「長生きも色んな意味でリスクだよな…」
「そもそもいくら準備すれば老後は安心なんだろうか?」
不安に思わない人の方が少ないでしょう。
きっと心の中で「何かしら準備はしないといけないんだけど…」と多くの方が思っているはずです。
でも「何をどう準備していいか分からない!」という声もよく聞きます。
実際に、不安に思ってはいるけど、具体的に行動に移せないってよくありますよね。
学生時代のテストなんか正にそうでした笑
絶対早くから勉強した方がいいに決まっているのに、結局ギリギリまでやらず一夜漬け。
テストが終わったあと「もっと早く準備していればよかった。次回からは絶対に…」
なんてことがよくありました。
分かっているけど、面倒だから後回しにしてしまうんですよね。
その点、将来の準備というのは、その「将来」がかなり先の話で、しかもリアルにイメージしにくい事もあって、絶対に後回しにしやすい問題です。
ですが、後回しにしていても絶対に解決は出来ません。
学校のテストは一夜漬けでもなんとか乗り越えられたかもしれませんが、将来の準備はとても一夜漬けでは無理ですからね。
なので、もしあなたが将来に対する不安があって、何か準備しないといけないと少しでも思っているのであれば、ぜひイデコを選択肢に入れる事をお勧めします!
正直、「将来の年金の準備」という点ではイデコ は最強です。
年間24,000円の節税を仮に30年間続けたら、それだけで72万円の利益。
他の商品に比べて手数料も安いため、運用成果が大きくなりやすい。
そして大きくなった利益に対して掛かる税金にも優遇がある。
しかも、始めるにあったては5,000円からスタートできるから、初心者でも始めやすい。
さらには途中で下ろせないため、強制的に年金を準備出来る。
本当によく優遇された制度であることに間違いはありませんから!
という事で、「イデコとは?初心者向けにゼロから解説!」を最後まで読んでいただきありがとうございました!